今更ながら2010年度アカデミー作品賞を受賞した
「英国王のスピーチ」を見てきました。
ちょうどアカデミー賞発表直後の頃は、私盛んに
「オスカーはソーシャルネットワークがとるべきだった。
アカデミー賞は時代がわかっていない!」と
鼻息荒くのたまっておりましたが、
いやいや、この「英国王のスピーチ」の受賞は妥当どころか、
十分に時代を反映した作品だったとよくわかりました。
やはり見てもいない作品をとやかく言うのはダメですね。
今や英国王室の話題はニュースのトップであるわけですしね。
さて、しかしこの映画、本当に面白かった。
まずこの題材というか背景がもうすでにすごいですよね。
主人公のジョージ6世は、第2次世界大戦時の英国王。
すなわちヒトラー率いるナチスドイツと戦ったイギリスの元首なわけです。
ヒトラーとは言わずと知れた「歴史上で最も演説のうまかった男」。
演説による人心掌握術でそこまでの地位にたどり着いたといっても過言ではないレベル。
そのヒトラーと戦わなくてはならないジョージ6世は
吃音がひどく、うまく演説ができないというコンプレックスを持っています。
また、自分が王であっていいのか自信を持つこともできません。
一瞬しか出てきませんが、このヒトラーとジョージ6世という
コントラストに思いをはせるだけでもものすごく面白いわけです。
さらに時代はラジオの普及が始まったころで、
国家元首が国民に直接メッセージを伝えるということが
初めて大切になった時代のリーダーでもあるのだからさらに大変。
そしてこの作品はその吃音を治すために王についた
言語療養士と王とのかかわりを中心に物語が進みます。
物語の主題的には一人の男が、自分の立場と役割を受け入れ、
言語療養士との友情・家族との絆を通して、自信を持ち、前に進もうとする姿勢を
手にしていくという王道の成長物語でもあるわけですが、
なにせこの話、主人公は王様。
そして言語療養しは貴族でも爵位もない(しかも医師でもない)このただの平民。
この2人の関わりを見ていくことで、民主主義社会における王というもの、
さらには民衆とリーダーというものの在り方が、
おのずと描かれていくわけでもあるのです。
そういう意味で、とても現代的であり、深い意味で時代に即した映画であると
すごく感じたまさに王道の名作映画でありました。オススメです。