2010年12月5日日曜日

自然写真を撮る者

先日、北海道で活動する広告カメラマンと話をする機会があった。
彼は普段、商品や人物などを被写体にした写真を撮ることが多いとのことだった。

そこでつい、「北海道」という言葉からの連想で、
「やっぱり北海道だと自然写真とか撮ることも多いんですか?」
と聞いてみた。

その質問に対して彼が返した答えは
「自然写真は全然やらないよ。ああいうのは専門家か
アマチュアに任せておくのが一番いい。」

というものだった。

専門家に任せておけという考えは理解できるのだが、アマチュア?
と思っていると、彼はこう続けた。

「自然写真っていうのは、カメラの技術や構図よりも、目の前にある自然が
どれだけ美しいか、貴重かということにほとんどの価値がある。だから一番大事なのは
その瞬間に出会えるまで、ずっと待ち続けられるとか、
そういう場所にずっと暮らしているとか、そういうこと。
そういうアドバンテージをアマチュアのほうが持っている。」


プロの広告カメラマンは、依頼を受けて、
そのイメージ通りの写真を高い技術力で実現させる職業だ。
コストを度外視して、一枚の写真に
いつ終わるかわからない、運次第のスケジュールを組むことはできない。

プロとアマチュアの使用する機材がほとんど変わらなくなっている写真の世界で
起こっていることは、同じように機材の差がプロアマの間で縮まりはじめている
映像の世界でも同じように起こるだろう。
そう思って、アマチュアのアドバンテージ、専門家の意味が、
一体映像の世界ではどういう風に形になっていくのだろうかと考えさせられる日だった。