2010年12月31日金曜日

一番コストのかかるもの

CM業界に入る前、一番疑問だったのは
「なぜ映像を作るのにそんなにお金がかかるのか」
ということだった。

確かに海外ロケをしたり、
ものすごいセットを作っていたりする
どこに金がかかっているところの見える映像は
納得できるのだが、
別にその辺の民家みたいなとこを舞台にして
太陽の自然光っぽい光の中で
特に変哲のない日常描写をしている作品など、
俺でも時間とれたら作れるぞ、そんな金かけないで。
と思っていた。

しかし実際にこの世界に入ってみて気がついた
何に一番お金がかかるのかが「時間」なのだということに。

CMはどれだけ縮小しようとしても
一本の作品を作るのにそれなりに
人数が必要になってしまう。

監督
カメラマン
撮影チーフ
撮影セカンド
撮影サード
照明技師
照明部の人々(6人くらい)
美術
美術部の人々(6人くらい)
録音部
ヘアメイク
スタイリスト
車両部
制作部
プロデューサー
代理店
クライアント
タレント・キャスト

何も特殊な撮影でなくてもこれくらいの人間が
集まって撮影は行われる。
よって、撮影日が倍になるということは
人数分の人件費が倍になるということ。
だから、天候に左右される自然光での撮影なんかが
スタジオでたくさんの照明機材をつかって撮影するよりも
はるかにコストがかかる撮影になってしまうのだ。

スタッフは誰もが、光は自然の太陽光が
一番美しいと分かっている。
だけど当たり前にあるその光を使うことが
実は一番贅沢なことだったりするのだ。