広告業界で働いているので、
企画案を考えるという現場に立ち会えることがたまにある。
TVCMの企画は基本的に代理店のプランナーが考えるものだが、
場合によって(時間がないとか、違う色を出したいとかで...)
ディレクターが企画出しから参加するということもある。
こういう場合、同じ商品の広告で、
プランナーが考えた企画と、ディレクターが考えた企画が
並ぶことがあるのだが、ここに大きな差が出たりする。
それは内容の問題というよりも形式の問題。
プランナーは一枚のイメージビジュアルに、企画の意図、
そしてコピーという形式を紙一枚にまとめてくる。
対してディレクターはコンテを書いてきたりする。
立場の違いがここまではっきりと形に出るものかと
初めて見たときちょっと鳥肌が立った。
ディレクターは基本的にTVCMの監督をする人間だから、
TVCMをどう作るかという視点で企画を考える。
だから映像の流れで勝負をしようという、コンテの形で企画が出てくる。
プランナーはTVCMだけの広告を考えているわけではない。
今やTVCMは数ある広告媒体のひとつでしかないし、
それだけにフォーカスして広告を作ることはまずない。
共通したビジュアルやコピーで、ポスターやWeb、キャンペーンまでを
網羅できる企画である必要がある。
このとき映像的に時間軸の中で表現できるのはTVCMくらいのもの。
だから、流れやストーリーよりも一発のイメージやコピーから
企画を考えて、その枝葉を膨らませていく。
今売れているディレクターという人たちは、
そういうことが分かって、ちゃんとプランナー的企画発想ができる人たちであり、
未だにCM的発想しかできないのは、CMディレクターとしてマズい。
というよりCMだけしかできないディレクターになるのがまずいのかもしれない。